ヒールのパンプスを長く履いていると、いつのまにかヒール先端のゴム部分がすり減ってしまってることはありませんか?
すり減った状態だと、着地した時に滑りやすかったり、歩く時に安定性がなくなり、悪い姿勢で歩行する癖がついてしまうことにもなりかねません。
そして、ゴムがすり減ってむき出しになった状態の金属の棒が、歩くたびに地面に打ち付けられて、乾いた金属音を響かせながら歩くのは、何とも言い難い恥ずかしさがあります。
ここでは、そんなヒールがすり減ってきたとき、故障したときの対処法についてご紹介します。
何故ゴム部分(リフト)がすり減ってしまうのか
ヒールの先端ゴム部分は「リフト」と呼ばれます。
このリフトが何故すり減ってしまうのでしょうか。
もちろん普通に歩くだけでも地面に当たっているので、すり減らずにずっと綺麗な状態を保つことはできませんが、早くにすり減ってしまう原因の一つとして、【歩き方】に問題があります。
つまり、リフトが地面との摩擦によって徐々にすり減っていくため、かかとを擦って歩く癖がある人や、早歩きの人は、リフトに負担がかかってしまい、すり減りやすくなるのです。
いきなりは難しいかもしれませんが、ヒールのある靴やパンプスを履いて歩くときは、できるる限りゆったりと歩くことを意識して、地面とリフトの摩擦を最小限に抑えるようにしましょう。
すり減らないためには気を付ける事
つま先から着地するよう意識する
スニーカーやブーツ、フラットな靴やバレエシューズ等、歩く時かかとから着地していますが、ヒールのパンプスは、つま先から地面に着地するように意識することで、摩擦を最小限にすることができ、急なすり減りを防ぐことができます。
重心に気を付ける
重心が偏っていると、左右どちらかが大きくすり減っていき、バランスが悪くなります。
真っすぐに足を下すことを意識しながら、つま先をやや外側に向けるようにすることで、すり減りの左右差を防ぎます。
また、この歩き方を意識することで、正しい姿勢で歩くことができて疲れにくくもなるでしょう。
適切なサイズの靴を選ぶ
根本的なことですが、靴のサイズがあったものを着用しましょう。
きついと靴擦れの原因にもなり、痛い箇所を庇うように歩くのでどこかに負担がかかり、リフトがすり減っていきます。
逆に、大きいサイズを履いていると、かかとを擦って歩いてしまいます。
地面との摩擦が頻繁に起こると、それだけリフトがすり減るのが早くなります。
ぴったりのサイズで正しい姿勢をとって歩くことが、リフトを長持ちさせる秘訣とも言えます。
すり減った「リフト」どうすればいい?
気を付けて歩いていたつもりでも、あくまでも靴は消耗品のため、どうしてもすり減ってきてしまいます。
すり減ったままのリフトがついたパンプスを履いての歩行は非常に危険です。
雨の日など濡れた地面で滑りやすくなり、転倒してケガをしてしまいます。
また、歩くときにかかとで地面を十分にとらえづらくなるため進みづらくなり、変な歩き方になって、足首や腰に負担がかかって痛めてしまいます。
ではリフトがすり減ってきたとき、どのようにすればいいのでしょうか?
修理屋に行く
靴の修理屋を探して持って行くという方法です。
修理屋は、各地域の駅や、ショッピングモール内にあることが多いです。
ショッピングモール内の修理屋を利用する場合、お買い物前に修理に出しておいて、お買い物が終わった頃に、修理が済んだ靴を受け取れるので、時間を無駄になりません。
料金は平均して2,000円~3,000円程度です。
修理をしてもらうついでに、お手入れ方法や気を付ける事などを聞いてみるのも良いでしょう。
自分で修理する
自分で修理!?と驚かれた方も多いかもしれませんが、意外と簡単に自分で修理することができます。
慣れれば短時間であっという間に修理できるので、修理に持って行く時間がない方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
用意するものは
- 交換用ゴム
- ペンチ
- ハンマー
- サンドペーパー(紙やすり)
どれもホームセンターや量販店・100均で手に入れることができます。
修理の手順
1.すり減って残っているゴム部分をペンチで取る
ヒールの部分を傷つけないように、慎重に取り除きます。
この時、すり減った状態で長い間履き続けたパンプスのヒール部分は、相当なダメージを受けて傷だらけになっている事が予想されます。
余計に傷を付けないよう気をつけましょう。
2.埋め込まれている金属の棒(芯棒)を引き抜く
多少、力が要りますが、ダメージを受ける前のヒール内の芯棒は、ちゃんと抜くことができます。
しかし、ヒール部分が相当なダメージを受けている場合、この芯棒が抜けにくくなっています。
そうなってしまうと、芯棒の周りを取り囲んでいる「パイプ」というものを削って芯棒を取り出さなければなりません。
3.ヒールの底面を削り、平衡にする
芯棒を引き抜くことができたら、サンドペーパー(紙やすり)で、ヒールの側面を丁寧に削って平衡にしていきます。
ここでしっかりと平衡にしておかないと、この後埋め込むリフトが傾いてしまい、履き心地、歩き心地が非常に悪くなるので、全集中で取り組みましょう。
4.交換用の新しいリフトを付ける
ヒールの底面を平衡にできたら、新しいリフトをつけます。
新しいリフトの芯棒が穴より小さく緩くなってしまう場合は、穴の中に接着剤を流し込んで固定させます。
逆に、新しいリフトの芯棒の方が太くて、固く差し込みづらいようなら、ハンマーを使って少しずつ優しく叩き入れていきます。
左右同じ工程で作業したら、修理完了です!
実際に履いてみて、もし左右差があれば、リフトをサンドペーパー(紙やすり)で削って、平衡になるよう調整していってください。
傾いた状態で歩いていたら、ふらふらと安定せず、足をくじいてしまったり、靴擦れの原因になりますため、妥協せず、仕上げましょう!
ブランド靴の修理方法
自分で修理をすれば、確かに修理代の約3,000円が浮きます。
しかし、お気に入りのブランドの靴は、失敗した時の事を考えると自分で修理するには勇気がいりますよね。
そんな時は、少し遠くになってしまったり、移動が面倒に思う人もいるかもしれませんが、百貨店の靴修理コーナーに出すのが良いでしょう、
その靴が百貨店で購入した靴なら尚更です。
プロが修理してくれるので、安心して任せることができるでしょう。
ついでに靴のクリーニングもしてもらうと、新品同様に生まれ変わり、履くのが楽しくなるかもしれません。
こまめにメンテナンスを行うことで、お気に入りの靴を長く使える事になります。
ちょっと良い靴を購入した場合やっておきたい事
革靴やパンプスの底面(靴の裏側)には、裏張りをしておくのも良いでしょう。
つま先側部分に張るハーフラバーやハーフレザーで強度を上げる事ができて、大切な靴を長く愛用することができます。
革靴や、パンプス・華奢なサンダルは雨の日や濡れている場所を歩くと滑りやすいですが、ハーフラバーを付けておくことで滑りにくくなるため、転倒防止にも役立ちます。
女性の華奢パンプスやサンダルの靴底は薄いため、長時間歩くと足に疲れがたまり、痛みが出てきたりします。
ハーフラバー・ハーフレザーの裏張りによって厚みがでて、歩行時の衝撃を軽減する事ができ、足への負担の軽減につながります。
リフト(かかと)側にも裏張りすることができるので、百貨店で革靴やバレエシューズ、サンダルを購入した際は、百貨店の修理屋さんにその足で持ち込んで、補強してもらうのも良いでしょう。
ひと手間かけることで、より特別なものになり、そのアイテムを長く楽しむことができます。
スニーカーの靴底も自分で修理
パンプスのヒール部分にあるリフトの交換方法を紹介しましたが、実はスニーカーの靴底も自分で修理する事ができます!
用意するもの
- 新聞紙
- 靴底補強剤
- プラスチックのシート
- へら
- 定規
- ガムテープや養生テープ
- サンドペーパー(紙やすり)
靴底補強剤は靴屋さんでもありますが、身近なところだと東急ハンズでも購入できます。
その他のアイテムは、量販店やホームセンター、100均で手に入れることができます。
修理の手順
それでは、ここからはスニーカーの靴底の補強方法をご紹介します。
1.新聞紙を敷く
靴底補強材の色は黒。床にこぼれると色がついて取れなくなってしまうかもしれないので、しっかりと汚れ防止対策をとります。
2.型になるシートを用意する
ここで作成するプラスチックシートは、絶対に必要なアイテムです。補強剤に付属でついている場合はそちらを使用しましょう。
付属がない場合は、クリアファイルなどの柔らかいプラスチックの素材で作っていきます。
かかとをぐるっと取り囲むシートです、幅1.5cm~2cm 長さ15cm~20cmの長方形に切り取ります。
3.シートを靴底のかかと部分に沿って巻きつける
この時、気を付けたいのが、すり減る前の靴底の高さまでシートの高さを出します。
シートの位置が定まったら、ずれないように養生テープでしっかりと留めていきます。
これで補強材を流し入れる型の完成です。
※平衡になるように、シートを微調整しましょう。
4.靴底がすり減っている部分に補強剤を入れる
必要以上に入れすぎないよう、または少なすぎないよう注意しましょう。
ちょうどいい具合に入れていきます。様子を見ながら少しずつ足していきましょう。
5.へらで平にする
補強剤をプラスチックシートの高さにして、へらで平衡になるよう均(なら)していきます。
余分な補強剤は削ぎ落して微調整します。
重要な工程です、慎重に行いましょう。
6.乾燥して微調整
補強剤によって乾燥時間が違いますが、早くて24時間、長くて3日間ほどです。
完全に乾いたことを確認したら、ちゃんと靴底が平衡になっているか履いて試してみましょう。
違和感を感じたら、サンドペーパー(紙やすり)で削って整えていきます。
このように、時間はかかってしまいますが、スニーカーの靴底を自分で補強する事が可能です。
気に入ったものは、少しでも長く身に付けていたいですよね。
スニーカーも大切にお手入れすることで、長く履くことができて、愛着も湧いてくるでしょう。
まとめ
「おしゃれは足元から」といわれるように、靴はコーディネートには欠かせない大事なアイテムです。
こまめなメンテナンスで、気分よくお出かけしましょう!
自分で修理ができると、愛着が湧いて、より大切に思えるものです。
メンテナンスしたパンプスを履いて、浮いたお金で美味しい物を食べにお出かけしましょう。