リネン生地と麻の違いとは?特徴や魅力について

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リネン生地と麻の違いとは?特徴や魅力について

リネン生地と麻の違いとは?特徴や魅力について

蒸し暑くなってくる梅雨頃になってくるとリネン生地の洋服を着る人が街中に増えてきます。

さらっとして肌触りがよいリネンですが、「麻とどう違うの?」と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。

服・シーツ・カバンなどいろいろなアイテムに使用されているリネンとは一体どのような生地なのでしょうか。

この記事ではリネンの特徴(魅力)や麻との違い、リネン生地のアイテムの使用に向いている季節などについて解説していきます。

リネン生地とは

リネン生地とはフラックス(亜麻科の植物)の茎からできた生地のことです。

フラックスは同じ畑で毎年収穫できないということもあり、大変貴重な原料です。

そのため、リネン生地は希少価値が高く、比較的高価な素材です。

リネン生地はフランスのフランドル地方・ベルギーなどの寒い地域や中国で主に生産されています。

中でもヨーロッパが原産の「アイリッシュリネン」や「フレンチリネン」は上質なことで知られ、世界中で人気があります。

リネン生地の種類

あまり知られていませんが、リネン生地にも複数の種類があります。

リネンの種類リネンの特徴
アイリッシュリネンアイルランド原産品質の良さから人気が高い摩擦に強い
フレンチリネンフランス原産最も上質で人気が高い通気性が良い柔らかい
コットンリネンリネンとコットン(棉)を混紡した生地柔らかく肌に優しい赤ちゃん用品に使われることが多い
ストレッチリネンストレッチ性のある素材(ポリウレタンなど)とリネン素材の混紡生地伸縮性がないリネンの性質を補っている

リネン生地の歴史

リネンの歴史はとても古く、紀元前8,000年頃のメソポタミア文明が起源だと言われています。

その後はエジプト文明でも使用され(ミイラを巻いていた布もリネン)、古代ギリシャやローマでも重宝されてきました。

この頃は大変高価な素材だったため、一般にはあまり普及されていませんでした。

一般的に使用されるようになったのは12世紀頃です。

織物産業の発展がきっかけとなり、リネンが身近な生地として知られるようになりました。

リネンは現在でも洋服や小物、シーツなどに幅広く使われている人気のある素材です。

日本では古くから種を薬として使用するために栽培されていました。

明治・昭和の時代からは北海道で繊維を使用するために栽培されるようになりました。

次に混同して考えられることが多い「麻」と「リネン」の違いについて説明します。

麻とリネンとの違いとは

麻とは、植物が原料の繊維の総称のことです。

リネンの原料も植物なので、麻に含まれます。

つまりリネンは麻の中の1つだということです。

麻に含まれる植物は全部で20種類程度あり、有名な種類は下の4種類です。

有名な「麻」の種類

「麻」の種類原材料となる植物用途
リネンフラックス衣類・日用品
ラミー苧麻(ちょま)衣類・日用品
ジュート黄麻カーペット・麻袋
ヘンプ大麻ロープ・衣類

ラミー

ラミーは苧麻という植物から作られている繊維です。

苧麻は1年に3,4回収穫できるため、リネンと比べると収穫しやすいです。

そのため、ラミーは安く一般に出回っています。

しかし、リネンより少し固くてごわつきがあるのが特徴です。

ジュート

黄麻という植物が原料となっている生地です。

起毛立っている特徴があり、保温性があるのでよく絨毯などに使用されます。

また、麻袋やコーヒー袋としてもよく使われています。

ヘンプ

大麻から取れる素材です。

大麻は一部でしか栽培が認められていません。

よくロープの材料として使用されています。

たくさん種類がある「麻」ですが、その表記にはどのようなものがあるのでしょうか。

これから「麻」の表記方法を説明していきます。

「麻」の表記について

麻の表記にはルールがあります。

これからそのルールを説明していきます。

「麻100%」という表記:リネンorラミー

リネンかラミーが使用されているということを表します。

リネンは柔らかくて、ラミーは少し固めです。

リネンかラミーを見分ける方法は、肌触り以外に値段が挙げられます。

「麻100%」で安価な商品の多くはラミーだと考えていいでしょう。

「指定外繊維」もしくは「指定外繊維(ジュート)」という表記:ジュートorヘンプ

ジュートやヘンプは表記の対象外なので「指定外繊維」もしくは「指定外繊維(ジュート)」と表記されています。

では、次にリネン生地の特徴について説明していきます。

リネン生地の特徴とは(魅力)

あらゆるアイテムに使用されているリネン生地にはいくつかの特徴(魅力)があります。

これからリネン生地の特徴(魅力)についてご紹介していきます。

吸水性がよい

吸水性がよい

リネンは吸収性が非常に高い素材です。

コットンの約4倍といわれています。

吸水性に加えて速乾性もあるので、汗をかきやすい夏におすすめです。

汚れが付きづらく、汚れが落ちやすい

リネンはペクチンという物質が含まれています。

そのため、汚れがつきづらく、汚れがついても落ちやすいという特徴があります。

また、ペクチンが生地を覆っているため、毛羽立ちづらいというの特徴です。

ペクチンとは

リンゴやバナナなどにも含まれる多糖類で、繊維の間を結ぶのりのような働きをしています。

この物質には抗菌性があります。

丈夫で長持ちする

リネンは水に強いという特徴があります。

その理由は水に濡れると繊維が膨張してより繊維同士が密着するからです。

コットンの2倍ほどの強度になります。

ただし、洗濯をする縮む場合もあるので、洗濯表記の確認をしてから洗濯するようにしましょう。

肌に馴染む

リネンは最初少し固い質感がありますが、使っていくほど肌に馴染んでくるという特徴があります。

使えば使うほど肌に馴染んでくるので、長く大切に使うのに向いています。

1年中使用できる

リネンのイメージといえば夏ですが、実は1年中使用に向いています。

なぜなら、リネンの繊維と繊維の間に空気が含まれているからです。

リネンに含まれた空気は夏にはこもった熱を逃がし、冬には熱を保つという役割をします。

そのため、夏は涼しく冬は暖かいという特徴があります。

リネンといえば夏のイメージですが、冬にも活躍する素材です。

他の素材と混紡しやすい

リネンは他の素材と混紡して使用しやすい性質があります。

そのため他の素材の良い所とリネンの弱い所を補ってさらに使用しやすい素材として使いやすいです。

よくある混紡素材

「コットンとリネン」

リネンとコットン(棉)をかけ合わせることで柔らかくて肌触りがよい素材になります。

シーツ・赤ちゃん用品に使用されることが多いです。

また、リネンは色が染まりにくいですが、コットンが染まりやすいため、染色もしやすくなります。

「ポリエステルとリネン」

伸縮性が低いリネンに伸縮性の良いポリエステルを混紡することで、より扱いやすい生地となります。

衣類に使用されることが多いです。

魅力たっぷりのリネンですが、リネン生地を使用する時の注意点もあります。

これからリネン生地を使用する際の注意点について説明していきます。

リネン素材を使用する時の注意点

シワができやすい

リネンは伸縮性がほぼない生地です。

そのため、洗濯して干した時にシワになりやすいという特徴があります。

洗濯したときは脱水を控えめにし、シワを広げるような感じで干しましょう。

縮みやすい

リネンは水に強い性質がありますが、水に濡れると繊維が固くなるので生地が縮んでしまうことがあります。

洗濯表記を確認して縮みに気を付けながら洗濯しましょう。

値段が高くなりがち

リネンの原料は毎年収穫できるような素材ではありません。

収穫できる量に限りがあるため、どうしても値段が高くなりがちです。

しかし、質が高く長い間使用できるものが多いので、長い目で見るとお得です。

このような特徴があるリネン生地ですが、どのような季節に使用するのがよいのでしょうか。

これからリネン生地の使用に向いている時期について説明します。

リネン生地の使用に向いている季節とは

リネンは通気性が良く速乾性が高いので、夏や湿度の高い梅雨の時期に使われることが多いです。

汗をかいてもすぐに乾き、カビや雑菌も繁殖もしにくい生地なので、夏におすすめです。

しかし、実は保温性も高いので夏だけでなく冬でも重宝します。

リネン生地に含まれる空気が熱を保持してくれるので、温かさが続きます。

つまり、リネン生地は夏は涼しく冬は暖かい1年中使用できる万能な生地だといえます。

このように1年中使用できるリネン生地ですが、そのお手入れ方法にはどのような方法があるのでしょうか。

次にリネン生地のお手入れ方法について説明していきます。

リネンのお手入れ方法

正しくお手入れすれば長い間使用できる丈夫なリネンのお手入れ方法を勉強して、長く大切に使いましょう。

リネンのお手入れ方法で最も気を付けるところは洗濯です。

これからリネン生地の洗濯での注意点について説明していきます。

リネンの洗濯での注意点

中性洗剤を使用しましょう

強い洗剤は生地を傷める原因になります。

中性洗剤を使用するようにしましょう。

脱水は短めにしましょう

リネン素材はシワになりやすい素材です。

脱水は短めにしてできるだけ自然乾燥させましょう。

また、乾燥機は縮みの原因になるので使用しないようにしましょう。

風通しの良い日陰に干しましょう

直射日光に当たると色落ちや黄ばみの原因になることがあります。

風通しの良い日陰で乾かすようにしましょう。

次にリネン生地を仕立てるのに向いているアイテムをご紹介します。

リネン生地を使って何かを作りたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。

リネン生地が向いているアイテム

リネン生地が向いているアイテム

ヨーロッパでは大変人気の高いリネン素材は洋服に関わらず様々な物に使用されてきました。

これからリネン素材で仕立てるのに向いているグッズをご紹介していきます。

衣類

ナチュラルで軽い印象のリネンの服は柔らかい印象を与えることが出来ます。

また、夏は涼しく冬は暖かい特徴があり、着心地も抜群です。

普段着でもパジャマでもどちらにも適した素材です。

キッチン用品

リネン素材は汚れが落ちやすいので、汚れやすいキッチン用品にもぴったりです。

清潔に使いたいエプロンやランチョンマットとして使用してみてはいかがでしょうか。

カーテン

カーテン

リネン生地は通気性がよく風を通してくれるので暑い夏にぴったりです。

また湿度が高いシーズンには部屋の湿気をリネンが吸ってくれるので、部屋の湿度調節にも役立ちます。

しかも、保温性もあるので冬にもぴったりです。

1年中使用できるリネンはカーテンに仕立てるのもおすすめです。

次にリネンの混紡生地で人気の高い「コットンリネン」について説明していきます。

寝具

肌触りがよく乾きやすいリネンは寝具にぴったりです。

しかも汚れにも強いので意外と汚れやすい寝具には最適の生地です。

寝具

次にリネンの混紡生地で人気の高い「コットンリネン」について説明していきます。

人気の高いコットンリネンとは

人気の高いコットンリネンとは

コットンリネンとはコットンとリネンを混ぜてつくられた生地のことです。

コットンとリネンの両方の良い所を持ち合わせた使いやすい素材で、大変人気があります。

コットンリネンは肌に優しいので、赤ちゃんや肌が弱い方に人気があるのでよく衣類などで使用されています。

混合率による特徴

リネン50%以上

丈夫で乾きやすく、パリッとした印象がある素材

リネン50%未満

コットンの柔らかさがありつつもしっかりとした素材

シワになりにくい

まとめ

リネン生地とは亜麻科の植物からつくられた人気の高い生地です。

「麻」は植物の繊維からできた生地全般のことを示すので、「リネン」は「麻」の一種だといえます。

リネン生地には「吸収性がよい」「丈夫で長持ちする」「通気性が良い」「1年中使用できる」「肌触りが良い」「汚れづらい」「他の生地と混紡しやすい」などといった特徴があり、衣類や寝具などあらゆる商品に使われています。

通気性の良さから夏のイメージが強いリネン生地ですが、実は保温性も高いので冬でも使用しやすいです。

暑い夏でも寒い冬でも快適に使用できるリネンはとても使いやすい万能生地だといえます。

ただし、リネンは洗濯する時には注意が必要です。

洗濯表示を確認して正しい方法で洗濯して大切に使用しましょう。

丈夫なリネン素材のグッズは大切に使ったら長く使用できます。

ナチュラルで高品質なリネン素材のグッズを使ってお洒落に快適に過ごしていきましょう。

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